自分にとって当然なことは、他人にとっては大発見だ。

サービス開始前配信(2/3)
彗星ブッククラブ 2023.10.30
誰でも

皆さんこんにちは、森 大那です。

私の経営する合同会社彗星通商は、

新サービス『彗星ブッククラブ』を2023年11月1日に開始します。

このニュースレターでは、以下の2種類の情報をまとめていきます。

  • サブスクサービス『彗星ブッククラブ』の最新情報
    本の著者インタビュー動画情報、読書会レポート、ウェブサイトアップデートのお知らせ

  • YouTube&Twitterで配信している話題それぞれのアカウントで発信した内容のまとめと補足

本から刺激されるクリエイターから、隙間時間に読書を楽しむ本好きまで、

読書を愛する人にはきっと参考になるはずです。

目次

  • 一行まとめ

  • 利用ガイド

  • メンテナンス情報(本日無し)

  • インタビュー情報

  • 読書会情報

  • YouTube&Twitterまとめ

一行まとめ

自分にとって当然なことは、他人にとっては大発見だ。
(詳細は後ほど)

利用ガイド

彗星ブッククラブでは、毎月月末、オンライン読書会という活動を主眼に置いています。

参加方法は簡単。
各書籍の詳細ページに、読書会予約ボタンが設置されています。
開催日時を確認して、予約ボタンを押せば、当日入室するためのZoomリンクが表示されます。

当日お時間になったら、ご入室ください。

こちらは前回のレターにも掲載した画像。

こちらは前回のレターにも掲載した画像。

しかし、オンライン読書会で何を語ればいいの? と迷う方もいるでしょう。

基本的には、読書会の司会である私が、お集まりいただいたユーザーの皆さんに、質問を投げかけます。

「一番印象に残った箇所はどこでしたか?」

「理解できないところはありましたか?」

と、上二つの質問は一例ですが、そのほかいくつもの質問を用意しつつも、その場で発言していただいた内容を拾いながら、話を展開していきます。

読書会の目的は、
「自分では考えもしなかった読み方に気付けた!」に到達することです。

経歴も住む場所も年齢も異なる人々が、ある特定の本を共通点に集まり、話し合うことによって、
結果として、自分が語った感想が、他の誰かにとって大きな発見になる。

これが、読書会という活動のゴールです。

もちろん、読書会に参加する前に、
「一人だけ長々と喋っている人がいたら嫌だ」
「不愉快なことを言われないか心配」
「自分はそこまで本に詳しくない。大したことは語れない」

と思われる人もいるでしょう。

私に限らず、読書会の司会者は、すべての人がなるべく平等に話せるよう、あるいは、誰かに偏らないよう、会話を回します。
また、参加者の理解度・レベル感も考慮して司会をします。この時、ユーザー側から「あんまり詳しくないのですが」と先に言ってしまうのも、一つの効果的な手です。
また、彗星ブッククラブの読書会では、明らかなセクハラ・パワハラ的発言があった場合には、警告または退出の措置をとるなど、厳正に対処の準備をして、当日にのぞみます。

「特に自分から感想を語りたくはないけど、他の人の感想を聞いてみたい」
という方もいるはずです。
そんな時には、発言はせず、聞くだけ参加もOKです。
発言ではなく、チャット欄に文字でコメントを書き込んでいただければ、司会者がコメントを拾い、読み上げます。

時には、都合により、司会者が私ではなく、別のベテラン司会者に代わる可能性もあります。
その際には開催情報欄に記載しますので、ご覧ください。

明日も、彗星ブッククラブの読書会の仕組みについてお伝えします。

インタビュー情報

彗星ブッククラブの掲げる【オールインワンの読書体験】とは、
作家インタビュー&解説動画配信、書籍販売、オンライン読書会の3点をまとめて指す表現です。

今日のレターでは読書会を主眼に置いていますが、11月に配信する4本のインタビュー映像にもご期待ください。

筆頭は、"小説の女王"の異名を持つ皆川博子さん。
映像にはご出演されないため、私からの質問に文面でお答えいただき、お答えを私が代読する形でのインタビューとなりましたが、一言で言えば、大ボリュームです。
私からの質問は、

・装幀やデザインについて、どんなご希望をお持ちですか

・本作の着想源となったランボー「酩酊船」は、どのような存在と感じていますか

・作品を書き始めるまで、資料をどれほど読まれますか

・普段使いの執筆道具を教えてください

・揺るぎなく信じるものはありますか

この5つ。実際にはそれぞれの質問文はもっと長い(映像内ではフルで語っています)ので、上にあげたものは簡略化したものです。
皆川博子ファンはもちろんのこと、小説家の執筆スタイルや発想方法も詳しくお話しいただき、ものづくりに関わるすべての人にご覧いただきたい内容となっています。

短編集『禍』の小田雅久仁さんには、新潮社の担当編集者のおひとりと共に、創作と出版の裏側をお聞きしました。
海外2ヶ国語での出版と、コミカライズがなされ、担当部署の枠を超えた大きなプロジェクトであったことが詳しく語られています。
そして動画の最後には、刊行から数ヶ月経った現在見られる、新たな動きについての話題も……?

文学アンソロジー『文豪たちの関東大震災』のインタビュー映像は、
編集された児玉千尋さんと、皓星社担当編集の河原さんのお二人にお話を伺いました。
当初は別の内容を目指していた企画が、ある奇跡的な経緯から、本書へと結実することとなります。
アンソロジーならではの舞台裏、そして編集する立場ならではの発見・驚きについて語っていただき、知的刺激に満ちたインタビューとなりました。

そして、エッセイ集『タイポグラフィ・ブギー・バック』の著者・正木香子さんへのインタビューは、私が動画内で絶句するほど鋭い説明が頻出するものとなりました。
本書をお読みいただければ分かる通り、驚くべき文才でご自身の思い出とフォントの歴史を行き来する、本が好きな人なら見える世界が変わってしまいかねない内容ですが、ご本人はいたって謙虚です。
しかし、動画のクライマックスで語られる、
「フォントとは何か。フォントは自動車のようなもので、それぞれに”速さ”がある」
という指摘は、やはり天才的な説明力だと感じざるを得ませんでした。

それぞれのインタビュー映像は、ログイン後、各書籍の詳細ページでご覧いただけます。

読書会情報

「今月の5冊」それぞれの読書会は、月末に開催されます。

2023年11月の5冊の読書会開催日時は、以下の通りです。

  • 11月25日20:00~21:00 皆川博子『風配図』読書会

  • 11月26日19:00~20:00 小田雅久仁『禍』読書会

  • 11月26日21:00~22:00 『文豪たちの関東大震災』読書会

  • 11月30日19:00~20:00 正木香子『タイポグラフィ・ブギー・バック』読書会

  • 11月30日21:00~22:00 市川沙央『ハンチバック』読書会

前述の通り、発言しない「聞くだけ参加」も大歓迎です。

サービススタート直後はユーザー数が多くないため、それぞれ開催時間を1時間としていますが、
ユーザー数増加に伴い、開催時間を長くしていく予定です。

YouTube&Twitterまとめ

私は「彗星読書倶楽部」名義でYouTubeチャンネルを運営していますが、以前、
『読書会入門講座』
というシリーズを、他の読書会主催者たちと一緒に配信しました。

読書会に参加したい、けれど迷っている、という人に向けて、疑問や悩みに6人が答える、
文字通り「入門講座」です。
シリーズのうちひとつの動画では、読書会のデモンストレーションをしてもいるのですが、その動画よりは、下に貼った動画の方が、オンライン読書会の楽しい雰囲気が伝わるものになっています。

過去10年、日本はもちろん、英語圏を中心として、世界中で読書会が増えています。
その事例は明日のレターでご紹介しますが、
その理由として考えられるのは、「コミュニティ」「サードプレイス」といった言葉がカジュアルに使用される、使用できるようになったことにあるでしょう。
言葉が広まるということは、多くの人がその言葉、その概念を使い、考えるようになるということです。

しかし私が考える理由はもうひとつあります。

オフ会に、タイムパフォーマンスが求められるようになったのでは、と思われるのです。

「誰かと集まれる・話せる場所が欲しい」という欲求は、多くの人が持つものです。
それを実現するだけなら、わざわざ本を読んでくる手間のかかる読書会でなくてもよかったでしょう。
知らない誰かと会うことに抵抗がない人であれば、さまざまなオフ会に飛び込む機会は無数にあります。

読書会も、粗く考えるなら、本好きのオフ会と言えます。
しかし、読書会が単なる「オフ会」と違うのは、
思考・発見が、収穫物として得やすい点にあると言えます。

「知らない誰かと出会って話したい。でも、せっかくの貴重な時間を、薄い体験にはしたくない。」
文化的な刺激を求める人たちは、もしかすると、そう感じ始めたのかもしれない。
そこで、読書会では文化的な刺激が、文化的な収穫が得やすい、と、少しずつ気づく人が増えていった。

私は、そんな仮説を立てています。
そうでないと、過去10年のうちに、世界規模で読書会グループが作られ、情報を発信するようになった理由が説明できないと思われるのです。

読書会は、新しい活動ではありません。
本読み、誰かと語り合い、新しい発見を得る、
これは、太古の昔から行われてきた読書です。
単純に、それが途切れることなく、今日にまで続いているということです。

そして、読書会を経験した人の中でも、その魅力に取り憑かれた人には、共通点があります。
自分が語った何気ない発言を、他の参加者が「大きな発見だった」と言ってくれた経験があるのです。

人生のバックボーンは人それぞれです。
その人にとっての何気ない、当たり前とさえ言えるコメントは、他の誰かにとっては、全く新しい、未知の知恵です。
そんな発見が、読書会では頻繁に起こります。

そんな奇跡的な発見の連鎖が成立するのは、
どれほど立場が違っても、ひとつの本を共通項にして、人々が集まれるという性質を、読書会が持っているからです。

読書会文化の考察は、尽きることがありません。
それは、書物に書くべきことが尽きることがないからでもあり、
人の出会いの可能性が尽きることがないからでもあります。

このニュースレターでは、彗星ブッククラブの最新情報と同時に、
読書会の分析と考察を通じて、人がいかに繋がれるか、いかに知的な発見の場を創出できるかのアイディアを記録していきます。

そんなわけで、明日はもう少し、読書会という文化について考察していきましょう。

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