世界はまだ、読書会の使い方を知らない

サービス開始前配信(3/3)
彗星ブッククラブ 2023.10.31
誰でも

皆さんこんにちは、森 大那です。

私の経営する合同会社彗星通商は、

新サービス『彗星ブッククラブ』を2023年11月1日に開始します。

このニュースレターでは、以下の2種類の情報をまとめていきます。

  • サブスクサービス『彗星ブッククラブ』の最新情報本の著者インタビュー動画情報、読書会レポート、ウェブサイトアップデートのお知らせ

  • YouTube&Twitterで配信している話題それぞれのアカウントで発信した内容のまとめと補足

本から刺激されるクリエイターから、隙間時間に読書を楽しむ本好きまで、

読書を愛する人にはきっと参考になるはずです。

目次

  • 一行まとめ

  • 利用ガイド

  • メンテナンス情報(本日無し)

  • インタビュー情報

  • 読書会情報(本日無し)

  • YouTube&Twitterまとめ

一行まとめ

世界はまだ、読書会の使い方を知らない。
(詳細は後ほど)

利用ガイド

2023年11月の5冊

2023年11月の5冊

彗星ブッククラブは、オンライン書店でありながら、動画配信サービスでもあり、読書会プラットフォームでもあります。

この3つをひとつにまとめて【オールインワンの読書体験】と読んでいます。

オンライン書店として

本は毎月5種類のみ販売。
5種類の選定方法の詳細は秘密ですが、
・文芸書が中心
・なるべく刊行から6ヶ月以内の書籍

などの独自基準があり、数人の選書委員の意見を総合し、取次や発注システムを介して調達可能かどうかを確認した上で、選定されます。

言わば本のセレクトショップです。

インタビュー動画は、著者に出演していただける場合もあれば、インタビュー文面を私が代読するものもあります。

動画配信サービスとして

「解説動画」というコンテンツが気になる方もいらっしゃるでしょう。
普段、私は「彗星読書倶楽部」名義でYouTubeでの「解説動画」配信をしています。
その本がどんな本であるか、どのように読めるか、といったトピックは、まだ読んでいない人に向けての内容ですが、
既に読んでいる人に向けては、新たな発見となるであろう読み方や考察を話しています。

彗星読書倶楽部のYouTube動画は、10分〜20分程度の軽い話題もあれば、1時間を超える文学解説動画もあり、
この彗星ブッククラブでは、だいたい10分ほどの解説動画を、1本もしくは2本、5冊それぞれに対して収録しています。

1本目の動画は、まだ読んでいない人に向けて、あらすじや、ネタバレにならない程度の魅力をお話ししています。
2本目の動画は、本の内容を考慮して配信しない場合もあり得ます。配信している場合には、既に読んだ人に向けた内容でありつつも、まだ読まない、今回は読むのを見送る、という人にも大きな発見となるような読解を語っています。

読書において大切なのは、作品を楽しむ、という体験だけではありません。
本編を読んだかどうかはさておき、そこからどんな知恵が生まれているのかを知ることも、ひとつの読書です。言わば、他人に任せる読書、とでも言えるでしょう。

読まない、買わない、と決めた本についての動画も、ぜひご覧になってください。

読書会プラットフォーム

読書会、というイベントのあり方は、世界中さまざまです。

シンプルに好きな本を紹介し合う読書会もあれば、特定の作家だけを追いかけてその人の作品を語り合う読書会、特定のテーマの本を語る読書会もあります(例えば黒人文学や女性文学をテーマにした読書会グループがアメリカには多い)。

私は今まで、1冊の本・1つの作品について、1〜2時間かけて複数人で語り合うタイプの読書会を開催してきました。
Zoomを利用した彗星ブッククラブでのオンライン読書会も、このタイプで毎月開催されます。

しかし、私の経験上、オフラインとオンラインでは、かなり勝手が違います。

例えば、オフラインでひとつの会場に参加者が集まっていると、参加者は、他の参加者の様子を観察しながら発言のタイミングをうかがいます。
Zoom画面だと、これはかなり難しい。他の参加者の表情・視線・体勢を、一度に複数人分把握するのは不可能なのです。
どうやら人間は、立体の空間の観察能力より、平面の観察能力を苦手とするらしい。

また、サービス運営者としては、参加人数によって、スタイルを変える必要があります。

彗星ブッククラブでは、現在のところ、以下の方法を予定しています。

参加者が9人以下の時には、司会者が該当本に関する質問をして全員にコメントを求めるか、参加者に挙手での発言をしてもらい、ビデオやマイクをオンにするのが難しい人にはチャット欄にコメントしてもらってそれを拾う、というスタイルを採用します。

参加者が10人を超えた時には、司会者が参加者の様子を把握するのが困難になるため、
発言は全てチャット欄に書いてもらい、司会者がそれを拾って話題を広げる、という形にします。

さらに増えた場合には……また別のやり方を準備していますが、それはいずれお話ししましょう。

いずれにしても、読書会という体験は、その1冊の本について、

  • その本はなぜ読む価値があるのか、考えの整理ができる

  • ごくごく私的・個人的・主観的な見方・体験が共有されて、思わぬ発見をもらえる

という体験です。

この話、今夜のレターの後半に続きます。

インタビュー情報

サービス開始後、すぐに販売される「11月の5冊」「12月の5冊」のうち、本好きの皆さんにどうしても読んでほしい1冊があります。

正木香子『タイポグラフィ・ブギー・バック』

正木香子『タイポグラフィ・ブギー・バック』

正木香子『タイポグラフィ・ブギー・バック』です。

文芸作品だけでなく、時にはノンフィクション枠も用意しますよ、という意味もこめて採用した1冊ですが、活字を読む習慣がある人がこれを読めば、
「自分はフォントに大きく影響されていたのかもしれない……!」
と、これまでの読書体験を一度総ざらいしてみたくなるでしょう。

正木さんはインタビューの中でこうおっしゃっています。

「ページを捲るのももどかしい、みたいな面白いお話を読んでる時って、自分が文字になったみたいな気持ちで、そこに書かれてあることを体験していく、って体験、ありません?
文字を読んでいるという感覚にはもはやなくて、乗り物に乗ってるみたいな感じで体験していく、っていう感覚が読書にはあるんじゃないかって、私は思ってるんです。」
インタビュー動画より

文字=フォントが、まるで乗り物のように感じられる。
喩えてみれば、そのフォントに、速い・遅い、というスペックがある。

もしかすると、フォントは、乗り物に喩えるだけでは足りないかもしれない。

なぜか読み進められない、挫折してしまうあの本が、実は、自分に「合わない」、スペックが「遅い・重い」フォントであるとしたら?

それは、度が合っていないメガネなのかもしれません。

あるいは、「そのフォント=メガネを通してしか見えない光景」もあるのかも。

その辺りを、解説動画とインタビュー映像でお話ししています。

YouTube&Twitterまとめ

YouTubeやTwitterでは、読書会という体験を普及させようと、文学の専門家である私にできる方法で、色々な施策を講じてきました。

自然、世界中の読書会事情にも詳しくなるのですが、
読書会のあり方は、本当に多種多様です。

グループがあり、そのリーダーが企画し、参加者が集まってくるタイプもあります。
最も多い読書会は、ごく親しい友達同士で、家の中で語り合う読書会です。

かたや、イギリス最大のボーイスカウト団体Scoutsでは、児童書出版社Walker Booksと提携し、ボーイスカウト活動に読書会を加えました。
アメリカのTVホスト、オプラ・ウィンフリー(日本では黒柳徹子に相当する?)が番組のコーナー『Oprah's Book Club』で取り上げた本はベストセラーになります。

読書会はあまりにも多様で、別種の活動にも組み込める性質がある。
読書会は、まだその真価を宿した、未発掘部分の多い文化的資源です。
世界はまだ、読書会という方法の可能性を汲み尽くしていません。
これからです。

そして、これまで10年、読書会を開催してきた結果、いくつか迷いなく言えることがあります。

他人の個人的な体験や意見は、自分にとっての財産になるのです。

思えば、どの時代、どの場所だって、それは変わりません。
ある人にしか体験できなかったことは、その人にとっては、当たり前に感じられることがザラです。
でも、それを聞いた人にとっては、まるで自分が経験したかのように思われ、経験がひとつ増えることと同じです。

体験は、財産です。
それをひとつでも多く……などとケチなことは言わず、
一気にユーザーの懐に増やせるサービス、それが彗星ブッククラブです。

***

いよいよ明日、18時に、彗星ブッククラブのサイトがオープンします。
URLはこちら↓(18時になるまではロックがかかっています)

私にとっては、これまでの大変な準備期間は助走で、これからが本番です。
でもようやく、皆さんと本について語り合える、かつてない場を作り、使うことができるようになります。

すぐに入会される方は動画で、メールアドレスを登録されている方は来週火曜日にお会いしましょう。
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